最新情報
汚染土の埋立て実証事業で栃木県那須町に提案
- 2018/03/14
環境省の「除染除去土壌の埋立処分に係る実証事業」受け入れについて
那須町長への提案と申し入れ
2018年3月14日
一般社団法人 被曝と健康研究プロジェクト 代表理事 田代真人
〒325-0302那須町高久丙407-997 ℡0287-76-3601
一、 まず、全町民を対象に説明会を
那須町ホームページによると、表題の「除染除去土壌の埋立処分に係る実証事業について」なる広報が、2018年2月15日に初めて掲載されました。下野新聞には、2018年2月1日付で報道されました。
報道等によると、2017年9月ころから環境省から町へ打診があり、伊王野の上、下両自治会へ説明、2017年末に「受け入れに協力」を回答したとなっています。
これは、事業の性格からすると、極めて不透明な進め方です。
町の方針は「各戸の除染土(汚染土)を仮置き場に移す」です。町内除染土(汚染土)8574ヶ所2万3683立方㍍のうち、98%超の2万3328立方㍍が各戸に埋められている。その現状からすると、この事業は全町民に影響を及ぼす事業であり町民の中にいろいろな意見が出てくるのは自明のことです。予定付近の住民や議員のみへの説明で、「受け入れ」の返事をするのではなく、まず、全町民への説明を行い、了解を得てから環境省へ返事をすべきでした。
まず、全町民への説明会を開いてください。
二、 今回の「除染除去土壌の埋立処分に係る実証事業」について疑念があります。
納得いく回答を求めます
那須町ホームページ掲載の「除染除去土壌の埋立処分に係る実証事業について」という文書では、「※放射性セシウムは土壌粒子に付着し、水により流れ出ないことがこれまでの知見と国等の試験により確認されており、その安全性を実証するための事業」とありますが、その認識には、大きな誤りがあります。
当法人が委嘱した矢ヶ﨑克馬琉球大学名誉教授の見解(別紙)をお読みください。
三、 私たちの提案
町民の、何とかしてほしいという気持ちも当然です。矢ヶ﨑氏の見解の中にある「提案」(文中赤文字)を共有します。町民の「安全、安心」のために、この提案の実現を環境省に強く要求してください。
<提案>
◆雨が埋立地に降らない構造でなければ汚染浸透は防止できない。屋根を付ける。下に水が浸透しないように底と側面をコンクリートで固める。コンクリート底面にたまった水は常に処理する。各家庭の庭などに集積/埋設されている汚染土はいつでも雨に洗われる形になっているので、上記のようにちゃんと汚染防護できる構造の埋め立て所に移してください
(参考文献)「福島周辺における大規模環境測定(1)―どのような測定が行われてきたか― (2)―土壌沈着量の分布と経時変化―」 斎藤公明* *(Kimiaki SAITO 国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構 福島環境安全センター 上席嘱託)
【別紙】<那須町での環境省・除染土埋め立て実証事業について>
矢ヶ﨑克馬 (琉球大学名誉教授)
この方法は処理場に埋設した後に現れる健康や環境に現れるすべての危険を、有無を言わさず住民に押し付けるものです。
次の疑点があります。
(1)◆那須町ホームページからの図の上の*印の2行に
「放射性セシウムは土壌粒子に付着し、水により流れ出ないことがこれまでの知見と国等の試験により確認されており、その安全性を実証するための事業です。」
と記してありますが、この認識を汚染土処理場に適用するのは危険だと思います。
上記の状況は「地表に放射性セシウムが降り、表土近くに「今は」留まっています。雨が降れば土に浸み込んだ水が、かなりの距離を土中濾過されながら進行し地下水脈に達したときに放射能をほとんど持っていない」ということです。
この状況は汚染土最終処理場の条件とは異なりますので、「放射性セシウムは土壌粒子に付着し、水により流れ出ない」としてよいものでしょうか?何十年もの間、安全であるかどうかの不安に住民を晒すわけにはいかないのではないのでしょうか? 安全でないことが確認されればそのあとどう対処するのでしょうか?
これが「安全性を実証する」ことは危険すぎると思う第1の理由です。
土壌粒子に付着しているセシウムは化合しているか、あるいは水溶性でありながら微細孔にトラップされているか、いろいろの形態があり得ます。
地表面を粘土で覆った窪地に放射能を含んだ土壌を集中蓄積するときは、雨が降れば処分場の底の粘土の上部に水が溜まり放射性土壌が直接水にさらされることになります。汚染土処分場の底では放射能セシウムが地表近くにある状態とは異なる条件に晒されます。
遮水層が完璧である場合は放射性セシウムが直接水に晒されるので水のセシウム汚染は非常に高くなる可能性があります。
地震もあれば大雨もあります。処分場での遮水層の破断は常識です。
溜まった水が粘土の層の破れ目から地下水として流れ出し、井戸水に合流することは十分予想されます。
最近福島の川で目に見えるサイズの不溶性セシウムボールが確認されました(http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3309836.html)。目に見えないミクロサイズはどれほどあるかわかりません。水溶性セシウムはもちろん目には見えません。
いったん水路ができると恒常的に放射性セシウムが環境を汚染することとなります。
土壌表面だけに放射性セシウムが分布するときとまったく異なった危険が放射性土壌を集積した処分場には生じることが予想されます。市民のためにはそのような危険は回避しなければなりません。
2番目の理由は、次のとおりです。
斉藤公明氏:福島周辺における大規模環境測定(2)−土壌沈着量の分布と経時変化−(参考文献)
のl図7を見ます。
図7 137Csの90%が含まれる地中深度(90%深度)の経時変化
「事故から4 年が経過した時点においても、まだ表面から5 ㎝以内に放射性セシウムが存在する地域が半数以上存在」
という調査結果を示しています。
要するに少しずつではあるけれども確実に浸み込んでいる。
図から読み取ると半数は5cm以内だけれど、半数は5㎝以上の深さに達し、最大深度は20㎝ほどにもなろうとしています。
年々の浸み込み具合を直線で近似していますが、上記結果は4年後での現状です。40年経てば50㎝の深さになります。最大深さは2m程度にもなります。
それに調査は事故で放射能が降り注いだ汚染地の調査です。大量に汚染土が集積した処分場では底面の単位水平面積当たりの放射能量が巨大になります。処分場の底に張り付ける粘土の層が全く破壊されずに水が通る穴が皆無だったとしても40年後の状態は処分場の底からさらに2m深くまでセシウムが拡散するところとなります。
事故後表土に放射性セシウムが拡散されたままの状況での調査が処分場に当てはまるかどうかわかりません。より深い土地に浸み込むことを肯定すれば、水に運ばれることを肯定しなければなりません。
地下水は多くのイオンを含みます、いわゆる硬水です。ウラン鉱脈があるところ(例えば中国地方)は地下水にウランイオンがかなりの量で溶けています。
汚染は確実に浸透していくことを前提に考察し、処分場としてのプロテクトはそれに耐えるものでなければなりません。
(2)環境省除染チームの(資料2)除去土壌の埋立処分に係る実証事業について(案)の 2.実証事業の概要(3)実証事業のイメージと主な確認項目を見ると
不透水層(ベントナイト等)を設置し、浸透水を一部採取できる構造とする
と設計計画が示されていますが、これが大問題です。
① 粘土の一種のベントナイトが不透水層に使われるとされますが、埋め立て上に雨が降ると水の土中浸透・浸食作用が伴って不透水層は必ず破られます。ちょっとした機械的圧力でも破られます。地震が来ると破れます。破られると常時放射能汚染水が環境に拡散します。
② 住民の【安全、安心】を守るための提案。
雨が埋立地に降らない構造でなければ汚染浸透は防止できない。屋根を付ける。下に水が浸透しないように底と側面をコンクリートで固める。コンクリート底面にたまった水は常に処理する。という構造ができなければ住民の安全は守られません。(安定型最終処分場、あるいは遮断型最終処分場)。環境省資料2には、遮水シートなどが言及されていませんが、「一般廃棄物最終処分場、管理型最終処分場」の基準ではだめだと主張することが必要です(参考資料参照)。
③ 浸透水を採取して測定するとされていますが、住民安全のためには何の役にも立ちません。
高度汚染が確認されたとしても、その原因を排除するためには手段がないのです。大量の汚染土を集積してしまえば、その大量の汚染度を別の場所に移す以外何の手の打ちようもなくなります。
全部穿り返して他の場所に移転することが可能か?そのような誠実な対応をした国や自治体の話は聞いたことがありません。この設置計画ではすべての「付け」が住民に回ります。
東京多摩の「日の出埋め立て場」付近のがんの発生状況を調べてください。(別項1)。強度の汚染水が確認されても何の対策もされませんでした。
(3)那須町放射線量マップについて
法律通りに計算し、チェルノブイリ法に適用すれば、半分は「移住権利」半分は「移住義務」の
地域です。国際的常識で見れば高汚染地域です。しかも外部被ばくだけです(チェルノブイリでは内部被曝を考慮して住民保護を行っています)。
それにモニタリングポストは半分の値しか示さないので、実際の外部被曝量は表示の2倍と考えなければなりません。モニタリングポストの測定データ(上図)をご覧ください。
(4)那須町の水質検査データについて
偶然か故意か?古い測定ほど測定限界値が高く設定されています。「不検出」と記入するためにそのように操作したと勘ぐりたくなるデータです。ウクライナでは1Bq/kgの水質制限ですが(チェルノブイリ事故後長期間の住民健康被害の状況からこのような制限値となりました。ちなみに日本では10Bq/kgです)、これを目安に住民防護するためには、汚染土壌の集積地を作るならば、「雨がかからない、汚染水が漏れない」構造にするしかないと思います。ちなみに、各家庭の庭などに集積/埋設されている汚染土はいつでも雨に洗われる形になっているので、ちゃんと汚染防護できる構造に移した方が良いものです。
<参考資料> http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1006/h0616-1.html
一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令の一部改正について 平成10年6月16日(火) <環境庁同時発表>
6月16日(火)に「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令の一部を改正する命令」(総理府、厚生省の共同命令)が公布され、6月17日(水)から施行される。
この共同命令の改正は、昨年11月に行われた中央環境審議会答申「廃棄物に係る環境負荷低減対策の在り方について」(第一次答申)の中の最終処分場の基準の見直しに係る提言及び昨年10月に行われた生活環境審議会廃棄物処理部会廃棄物処理基準等専門委員会報告を受けて、(1)廃棄物処理法に基づく最終処分場の構造・維持管理基準の強化・明確化、(2)昨年6月の廃棄物処理法改正により必要となった最終処分場の廃止の確認を行うための基準の設定を行うものである。
I 命令改正の背景
近年、廃棄物の量の増大に伴い最終処分場の残余容量が逼迫するとともに、廃棄物の質の多様化等に伴い安定型最終処分場の浸出水から有害物質が検出されるなど、各地で最終処分場を巡るトラブルが頻発し、国民の間で廃棄物処理に対する根強い不信感が生じている。
このため、昨年6月の廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)の一部改正により廃棄物処理施設の設置手続の明確化や最終処分場の廃止の際の確認の制度化等がなされ、また、昨年12月の廃棄物処理法施行令の一部改正により最終処分基準の強化等がなされたところである。
今回の共同命令の改正は、中央環境審議会「廃棄物に係る環境負荷低減対策の在り方について」の第1次答申における提言、生活環境審議会廃棄物処理部会廃棄物処理基準等専門委員会における検討結果を受けたものであり、(1)廃棄物処理法に基づく廃棄物最終処分場の構造・維持管理基準を強化・明確化するとともに、(2)昨年6月の廃棄物処理法の改正により、最終処分場の廃止の際の都道府県知事の確認制度(当該最終処分場の状況が一定の基準(廃止基準)を満たしていることについて都道府県知事の確認を受けねばならない)が盛り込まれたことを受け、この共同命令において、併せて廃止基準の設定を行う。
II 命令改正の概要
1.構造基準及び維持管理基準の強化
(1)一般廃棄物最終処分場、管理型最終処分場
○遮水工の要件の強化・明確化
• 遮水層の二重化(粘土等の層と遮水シートの組み合わせ、二重シート)
• 基礎地盤の整備(遮水層の損傷を防止できる強度を有し、平らであること)
• 遮光性のある不織布等による遮水層の保護
• 不透水性地層を用いる遮水工の要件の明確化(不透水性地層の要件、鉛直遮水工)
○遮水工の損傷を防止するため、砂等で覆うことにより遮水工を保護
○地下水により遮水工が損傷するおそれのある場合の地下水集排水設備の設置
○埋立地からの保有水等の排水機能の強化(調整池の設置等)
○放流水の水質検査について、検査項目、検査方法及び検査頻度を明確化
○放流水に係る排水基準を強化
○最終処分場周縁の地下水の水質検査について、検査項目、検査方法及び検査頻度を明確化。水質が悪化した場合には、その原因の調査その他の生活環境保全上必要な措置を講ずることを義務付け。
○埋め立てられた廃棄物の種類、数量及び点検、検査その他の措置の記録を作成し、廃止までの間保存
(2)遮断型最終処分場
○外周仕切設備を水密性を有する鉄筋コンクリート製とし、遮断の効力を強化
○コンクリート内壁を遮水、腐食防止の効力をもつ材料で被覆
○目視等により点検できる構造とすること
○最終処分場周縁の地下水の水質検査について、検査項目、検査方法及び検査頻度を明確化。水質が悪化した場合には、その原因の調査その他の生活環境保全上必要な措置を講ずることを義務付け。
○埋め立てられた廃棄物の種類、数量及び点検、検査その他の措置の記録を作成し、廃止までの間保存
(3)安定型最終処分場
○擁壁等の安定を保持するため必要と認められる場合における埋立地内部の雨水等を排出する設備の設置
○搬入された廃棄物を埋め立てる前に搬入車両から降ろして拡げ、安定型産業廃棄物以外の廃棄物の混入がないことを確認する展開検査の義務付け。
○安定型産業廃棄物以外の廃棄物の混入がないことを確認するため、浸透水の水質検査を義務付け。基準を超えた場合には、産業廃棄物の搬入及び埋立処分の中止その他生活環境保全上必要な措置を講ずることを義務付け。
○最終処分場周縁の地下水の水質検査の義務付け。水質が悪化した場合には、その原因の調査その他の生活環境保全上必要な措置を講ずることを義務付け。
2.廃止基準の設定
(1)共通事項
○構造基準に適合していること
○維持管理基準において義務付けられている一定の措置(悪臭や火災、害虫の発生を防止するための措置)が講じられていること
○最終処分場周縁の地下水を汚染していないこと
○現に生活環境保全上の支障が生じていないこと
(2)一般廃棄物最終処分場、管理型最終処分場
○埋立地の内部が十分に安定化していると認められること(保有水等の水質検査、ガスの測定、埋立地内部の温度の測定)
○土砂等により開口部が閉鎖されていること
(3)遮断型最終処分場
○鉄筋コンクリートにより閉鎖されていること
○環境庁長官及び厚生大臣が定める措置が講じられていること
(4)安定型最終処分場
○浸透水の水質、ガスの発生、埋立地内部の温度について、異状がないこと
○土砂等により開口部が閉鎖されていること
III その他
(1)既存の最終処分場に対する経過措置について
原則として、改正後の新基準を適用することとするが、直ちに新基準に適合させることが困難な場合には一定期間適用を猶予するとともに、新基準に適合させることが実態上困難な場合には適用しないこととする。
(2)今後の予定 公布:平成10年6月16日、施行:平成10年6月17日
○最終処分場の構造基準の概要
(一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令(総理府・厚生省令))
※文中下線部は改正部分を指す。○従来より適用◎今改正により適用×適用無し
基準の内容 一廃 産 廃
安定 管理 遮断
1) 埋立地の周囲には、みだりに人が立ち入るのを防止することができる囲いが設けられていること。 ○ ○ ○ ○
(閉鎖された埋立地を埋め立て処分以外の用に供する場合においては、埋立地の範囲を明らかにすることができる囲い、杭その他の設備を設ける) ◎ ◎ ◎ ×
2) 入口の見やすい箇所に、最終処分場(遮断型最終処分場については有害な特別管理産業廃棄物又は有害な産業廃棄物の最終処分場)であることを表示する立札その他の設備が設けられていること。 ○ ○ ○ ◎
3) 地盤の滑りを防止し、又は最終処分場に設けられる設備の沈下を防止する必要がある場合は、適当な地滑り防止工又は沈下防止工が設けられていること。 ○ ○ ○ ○
4) 廃棄物の流出防止のための擁壁、堰堤その他の設備であって、次の要件を備えたものが設けられていること。
イ.自重、土圧、波力、地震力等に対して構造耐力上安全であること。
ロ.廃棄物、地表水、地下水及び土壌の性状に応じた有効な腐食防止のための措置が講じられていること。 ○ ○ ○ ×
5) 埋立地からの浸出液による公共の水域及び地下水の汚染を防止するための次に掲げる措置が講じられていること。
イ.廃棄物の保有水及び雨水等(保有水等)の埋立地からの浸出を防止することができる次の要件を備えた遮水工又はこれと同等以上の遮水効力を有する遮水工を設けること。
(ただし埋立地の側面又は底面に、不透水性地層(厚さ5m以上、透水係数が100nm/秒(=1×10-5cm/秒)以下の地層若しくはルジオン値1以下の岩盤又はこれと同等以上の遮水の効力を有する地層)がある部分については、この限りでない。)
(1)次のいずれかの要件を備えた遮水層を有すること。
(基礎地盤の勾配が50%以上であって、内部水位が達しない部分については、基礎地 盤に吹き付けられたモルタルに遮水シート又はゴムアスファルトが敷設されていること。)
(イ)厚さ50cm以上、透水係数が10nm/秒(=1×10-6cm/秒)以下である粘土等の層に遮水シートが敷設されていること。
(ロ)厚さ5cm以上、透水係数が1nm/秒(=1×10-7cm/秒)以下であるアスファルト・ コンクリートの層に遮水シートが敷設されていること。
(ハ)不織布その他の物の表面に二重の遮水シート(二重の遮水シートの間に車両の走行等の衝撃により双方のシートが同時に損傷することを防止できる不織布その他の物が設けられているものに限る。)が敷設されていること。
(2)遮水層の下部に必要な強度を有し、平らな基礎地盤が設けられている こと。
(3)遮水層の表面に遮光性を有する不織布その他の物が敷設されていること。
ロ.埋立地地下全面に、不透水性地層がある場合は次のいずれかの要件を備えた遮水工を設けること。
(1)薬剤等の注入により、不透水性地層までの地盤のルジオン値が1以下となるまで固化されていること。
(2)厚さ50cm以上、透水係数が10nm/秒(=1×10-6cm/秒)以下である連続壁が不透水性地層まで設けられていること。
(3)鋼矢板が不透水性地層まで設けられていること。
(4)イ(1)から(3)に掲げる要件。
ハ.地下水により遮水工が損傷するおそれがある場合には管渠 (かんきょ)その他の地下水集排水設備を設けること。
ニ.保有水等を有効に集め速やかに排出することができる堅固で耐久力を有する構造の管渠(かんきょ)その他の保有水等集排水設備を設けること。
(ただし、雨水が入らないよう必要な措置が講じられる埋立地であって、腐敗せず保有水が生じない廃棄物のみを埋め立てる場合については、この限りでない。)
ホ.保有水等の水量及び水質の変動を調整することができる耐水構造の調整池を設けること。
ヘ.保有水等を次の排水基準等に適合させることができる浸出液処理設備を設けること。
・総理府令排水基準(BOD,COD,SSについては、それぞれ60、90、60mg/l以下と強化)
・維持管理計画上の基準 ◎ × ◎ ×
6) 埋立地の周囲には、地表水が埋立地の開口部から埋立地へ流入するのを防止することができる開渠その他の設備が設けられていること。 ○ × ○ ○
7) 次の要件を満たす外周仕切設備が設けられていること。
(1) 日本工業規格A1108(コンクリート圧縮強度試験方法)により測定した一軸圧縮強度が25N/mm2以上の水密性を有する鉄筋コンクリートで造られ、かつ、その厚さが35㎝以上であること又はこれと同等以上の遮断の効力を有すること。
(2) 自重、土圧、波力、地震力等に対して構造耐力上安全な要件を備えていること。
(3) 埋め立てた廃棄物と接する面が遮水の効力、腐食防止の効力を有する材料で十分に覆われていること。
(4) 地表水、地下水及び土壌の性状に応じた有効な腐食防止のための措置が講じられていること。
(5) 目視等により点検できる構造であること。 × × × ◎
8) 面積50㎡超又は容量250m3超の埋立地は、7)(1)から(4)までの要件を備えた内部仕切設備により、一区画の面積が概ね50㎡超又は一区画の容量が250m3超とならないように区画すること。 × × × ◎
9) 擁壁等の安定を保持するため必要と認められる場合には埋立地内の雨水等を排出する設備が設けられていること。 × ◎ × ×
10) 水質検査を行うための浸透水採取設備が設けられていること